ロボットが支えるボイラー生産ラインの完全自動化

生産量増加に対応する完全ロボット化ライン

あるオーストリアの暖房機器メーカーでは、製品量の増加に対応するため、溶接作業を中心とした完全ロボット化ラインを導入しました。従来は手作業で行われていた仮付け作業も自動化され、1台のボイラーを複数の溶接セルで処理できる体制を整えています。これにより、市場の変化に柔軟に対応できる生産ラインが構築されました。

KUKAロボットによる一貫作業の自動化

新しい溶接ラインでは、KUKAのロボットが溶接だけでなく、材料搬送や部品のセットまで一貫して担当しています。使用されている機種は、溶接アーク用のKR CYBERTECH ARCと、ハンドリング用のKR QUANTEC、およびフロアレール設置の高負荷ロボットKR 600 FORTECです。それぞれの特性を活かすことで、効率的で安定した生産プロセスを実現しています。

ロボットによる作業の流れ

・部品配置と事前溶接
KR QUANTECが部品を事前溶接セルに正確に配置し、仮溶接を実施

・仮付け作業
ボイラーを仮付けセルに搬送し、2台目のKR QUANTECがステープル留め

・本溶接と保管
フロアレールに設置されたKR 600 FORTECが選択された溶接セルにボイラーをセットし、本溶接を実施。溶接後は一時保管

・完成品搬送と品質管理
KR QUANTECが完成品を作業員のワークステーションへ搬送し、品質チェックも自動で行う

溶接自動化による生産能力の拡大

この完全自動化によって、計画生産量は30~40%向上。
さらに、溶接作業をロボットが担うことで、少人数でのシフト運営が可能になり、生産の柔軟性も大きく向上しました。KR CYBERTECH ARCは高精度・高速のアーク溶接を可能にし、KR QUANTECは高負荷搬送でも正確にワークを扱えるため、ライン全体の効率化と品質安定に大きく貢献しています。

最後に

今回の導入では、KUKAとの協力関係も重要なポイントです。プレミアム製品にはプレミアムパートナーが必要という考えのもと、技術面だけでなくサポート面でも安心して運用できる体制が整えられています。結果として、このラインはヨーロッパでも最先端のボイラー生産ラインのひとつとして評価されています。

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